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共同体の維持・発展のために誕生した哲学

昔々のギリシャでは、社会生活の最小基盤として機能する組織、つまり「根拠地」的機関がまず形成され、それらが次々と結合して共同体を構成して行きました。

そうです、軸のぶれないライフベースをまず確保していたわけなのです。こうして構成させた共同体の維持・発展のために、哲学や美学等の学問が誕生したといわれています。

経営理念 - 共同体的な事業展開 -

かの大哲学者アリストテレスは「共同体社会こそ理想の在り方」と主張したとか。この仕組みには、弊社の経営構想と若干共通するところがあり、共同体的な事業展開を目指しているといっても過言ではありません。

ミニマムな組織をワークスペースの核として機能させながら、そこから優れた人材を輩出させ、新たなスペースを開拓して行き、各機関（ 店舗） の連携・統合によって一種の共同体を構成させるのです。共同体内ではそれぞれが自由平等で、独自の個性を存分に発揮させ、弊社のベクトルを互いに保持しながら、技能やサービスの結集を図るというわけです。シンプルで明快な仕組みこそ、自由・闊達・明朗なモラルを育みます。

古典的なギリシャの共同体内の特長といえば、何よりも人間的で、明るく知的にして合理的、共同体と不可分の構成員中心主義、個性を重視し、それに飽くまでも「愛」をリスペクトした等々、これらはダイレクトに弊社の経営理念なのです。

連携共同体ネットワークの設立

生活の安定と向上を実現させながら、これからの時代を生き抜いて行くには、利害を超越した新しい発想・あらゆる思考の集結が最重要となるでしょう。思想性のある、個性的かつ秩序立った『連携共同体ネットワーク＝Cooperate Community Network（ 以下CCN）』の設立が弊社の大いなる目的なのです。

これは理容師・美容師業界における旧来の、フランチャイズや暖簾分け的独立やマニュアル通りのチェーン店展開とは一線を画する店舗システム構想です。大阪だけでなく、近畿圏、全国の理容師・美容師で新しい志をいだいておられる夢多き貴方との出逢いを心より願っておりますと共に弊社CCN 構想への御参画を御待ち申し上げております。

理容師と美容師のワークエリアの違い

男性の理容に関しては、今も昔も変わることなく「刈る」「剃る」「整える」の三つが仕事の基本です。一方御婦人方がお客様の場合、古くは「結う」「飾る」「化粧する」の三つがその内容で、「カットする」という概念は大正期に入るまでなかったようです。

このようにヒストリカルな視点から見るなら、理容と美容の本来受け持つワークエリアの違いは歴然としています。美容業の方は常に変化を重ね続ける柔軟性が、そのステータスであるように思えます。

それとは対照的に、理容業のステータスは、確固としたガンコさといえるかも知れませんね。

いずれにせよ、理容業はテクノロジーの進化の余波を受ける心配の少ない本格的なアルティザン（ 職人） 社会として、その歴史が示す通り恒久的で、将来に向けても不動な業種というだけでなく、全ての人々が、「健康的で文化的な最低限度の生活を営む」ために必要不可欠な世界共通の職業です。

理容師の仕事は将来に向けても不動な業種です

中世ヨーロッパにおいて理容師は、外科医を兼ねていました。ハサミとカミソリに精通している理容師の方が、理論中心の当時の医師より、実用的で適切な処置を施せたようなのです。その後１６世紀半ばに医師の中から理容師になる逆バージョンが出現します。メヤーナキールというパリの医師です。

彼は近代理容業の祖と呼ばれています。何とこの理容師＝ 外科医のシステムは１８世紀中頃まで続いたそうですが、分離後、理容業はより美しくより新しくをコアとして、芸術的なセンスのカテゴリーへと推移し、磨きを掛けて行くことになるのです。

理容室は男性のための空間であり、集いの場・憩いの場

お芝居や古典落語などに出て来る床屋は、日本の理容業の原形で、仕事の基本は現代とほぼ同じです。

そもそも床屋は、男性の男性による男性のための空間であり、集いの場・憩いの場でもあったのです。社交・コミュニケーションのスペース、時としてサロンのような役割さえ担っていたようです。

その空間は、ただ「刈る」「剃る」「整える」ためだけの場ではなく、情報交換と感性交流のプライマリィベース、そして同時にパブリックスペースだったのです。